
定例記者会見で話す花角英世知事=28日、県庁
2022年8月の県北豪雨で被災し坂町(村上市)-今泉(山形県)で運休が続くJR米坂線の復旧を巡り、花角英世知事は28日の定例記者会見で「災害が起きれば自らが復旧する事業で、JRが外にいて第三者的に支援するというのは違うのではないか」と述べた。知事はかねて「基本的にJRが鉄道として復旧すべきだ」との考えを示しており、復旧に向けたJR東の主体性に疑問を呈した。
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JR東はこれまで復旧後の運営パターンとして(1)JR直営(2)自治体が鉄道施設を保有する上下分離方式(3)三セクなどによる運営(4)バス転換-の4案を提示。(2)〜(4)は地元の費用負担の目安も試算した。
新潟、山形両県や沿線市町村、JR東が参加する「米坂線復旧検討会議」は27日に第6回会合があり、運営方式別の関わり方について、JR東は「運行に専念」(上下分離)、「復旧に当たって運行主体が必要な支援があれば考える」(三セクなど)、「運行に必要な支援をしていきたい」(バス転換)などと説明したが、具体的な支援の中身は示さなかった。
花角知事は、東日本大震災で被災した東北地方の路線をJR東がBRT(バス高速輸送システム)で復旧した例などを挙げ、「形は変えてもJRが事業としてやっている。当然米坂線もそうだと理解している」と強調。「住民にとって利便性が高く、現実的な案をタイプ別にまとめた上で最後に選択することになると思う」と述べた。
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