
自社工場で乾燥中のそうめんと森和也さん=徳島県つるぎ町
経営者が高齢化する中、社員や親族に後継ぎがいないため、第三者が事業を継ぐケースが増えている。中小企業基盤整備機構の「事業承継・引継ぎ支援センター」の仲介で2024年度に成約した第三者による事業承継は2132件。10年前の約21倍だ。センターが介在しない事例を含めると数はさらに多く、廃業を回避する手段として定着しつつある。(共同通信=浜谷栄彦記者)
▽そうめん工場復活
徳島県つるぎ町は江戸時代から続くそうめんの産地だ。冬に山から吹き下ろす冷たい風が麺の乾燥に適している。過去に福祉事業を手がけた森和也さん(49)は2020年秋、町にある現在の八千代麺業の工場を買い取った。
「もともと高齢の夫婦が...
残り687文字(全文:987文字)