
佐藤さん(仮名)が料理して作った弁当=9月(勤務先の児童養護施設提供)
「障害がある自分でも、子どもの役に立ちたい。でも、世間は自分が働くことをどう思うだろうか」
軽度の知的障害がある40歳の佐藤啓一さん(仮名)は、児童養護施設で育った。その経験から「子どもに寄り添い、悩みを聞ける職員になりたい」と、自分も同じような施設で働くことにあこがれていた。
そして、ためらいながらも夢をかなえた。子どもたちの世話をこなし、宿直にも入る。そんな佐藤さんの今の思いや職場での評判を聞いてみた。(共同通信=船木敬太)
▽できるだけ家族のように接したい
「これ買ったんだよ!」。9月下旬、関東地方にある児童養護施設のリビング。佐藤さんはおもちゃをうれしそうに見せる4歳の男の子に抱きつ...
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