エイズの治療に詳しい国立健康危機管理研究機構の杉浦亙・臨床研究センター長=東京都新宿区
 エイズの治療に詳しい国立健康危機管理研究機構の杉浦亙・臨床研究センター長=東京都新宿区
 HIV感染予防薬の「レナカパビル」(米ギリアド・サイエンシズ提供)
 抗エイズウイルス薬レナカパビルの特徴

 国のエイズ対策の柱であるエイズ予防指針が2025年11月に7年ぶりに改正された。この中で、検査と早期治療による感染拡大防止が重要としながらも、最近の薬の進歩を踏まえた感染予防「PrEP(プレップ)」の効果的な導入の検討が必要だとしている。海外では年2回の注射で感染を防止できる予防薬も登場した。しかし高額な価格がネックとなり、国内での普及は見通せない。

 ▽売り上げゼロ

 国連合同エイズ計画によると、24年の世界のエイズウイルス(HIV)感染者は4080万人で、新規感染者は130万人。厚生労働省によると、国内では同年にHIV感染が判明したのは994人だった。感染経路は男性同士の性行為が少なくとも6...

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