2011年の米企業買収で取扱製品に加わった血液成分分離装置
 2011年の米企業買収で取扱製品に加わった血液成分分離装置
 1960年代に発売した国産初の使い切り注射器
 赤線検温器の設立当初の体温計
 発起人の一人となった北里柴三郎
 現在販売中の電子体温計

 「テルモ」は国産体温計の製造販売を目指し、医学界の重鎮だった北里柴三郎ら医師や学者などが発起人となって1921年に設立した「赤線検温器」にルーツがある。現在の東京都墨田区で町工場を営んでいた技術者、竹内英二が良質な体温計の開発に成功。相談を受けた医師の笹川三男三が音頭を取って、仲間とともに竹内の体温計の製品化を後押しする構想が動き出した。(共同通信=出井隆裕記者)

 第1次世界大戦で体温計の輸入が途絶えたため国産化の機運が高まっていた。竹内は温度が読み取りにくい輸入品の欠点を克服。賛同した森下仁丹の創業者が販売を引き受け、公募で「仁丹の体温計」の名称を付けた。

 太平洋戦争後は医療機器メーカーへ...

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