
丸紅中国法人で経済研究総監を務める鈴木貴元さん
米中貿易摩擦が継続する中で、中国産業界は技術の独立や国産化率の向上に向けた動きを活発にしている。昨今の半導体分野では、米国の高性能人工知能(AI)半導体や半導体製造装置の輸出制限に対抗して国産のチップや製造装置の開発が進む。AI半導体で世界トップのエヌビディアの中国シェアは50%割れに近づいている。
こうした技術の飛躍は、ここ数年、電気自動車(EV)、リチウムイオン電池、太陽光・風力発電、造船、ドローン、鉄道車両、人型ロボット、養殖などにも広まっており、先進国を生産力で大きく引き離す勢いだ。
ただ生産力強化に伴って問題も起きており、その代表的なものが過当競争だ。中国の人口は世界の5分の1だが...
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