学生時代に、研究室で白衣を着る吉崎由美子准教授=2001年撮影(本人提供)
 学生時代に、研究室で白衣を着る吉崎由美子准教授=2001年撮影(本人提供)
 学生らとともに、酒蔵で酒造り実習に参加する吉崎由美子准教授(右手前)=2008年撮影(本人提供)

 芋焼酎から漂うチョコレートのような甘い香り―。北海道大の博士課程3年生、吉崎由美子さんは初めて飲んだ芋焼酎を通して発酵の奥深さを感じた。そんなとき芋焼酎の大産地である鹿児島県の大学に、焼酎学の新しい講座が開設されることを知った。北海道から2千キロ離れた九州南端の地だったが「デンプンの研究をしていた自分にも貢献できることがあるのではないか」と思って講座立ち上げに加わった。

 出身は徳島県で実家は仕出屋を営む。当時、大学や研究者は縁遠い存在だったが「遠い地で新たなチャレンジをしたかった」と振り返る。

 北海道で始めた大学生活。3年生のとき生物化学の実験を受講したことが転機になった。大腸菌を使った実験...

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