オーストラリア・ケアンズで結婚式に臨む乾紀子さん(右)と山県幹典さん=2月(乾さん提供)
 オーストラリア・ケアンズで結婚式に臨む乾紀子さん(右)と山県幹典さん=2月(乾さん提供)
 オーストラリア・ケアンズで結婚式をする乾紀子さん(中央)と山県幹典さん(左)=2月(乾さん提供)

 政府が旧姓使用の法制化に向けて動き、選択的夫婦別姓の実現が不透明となる中、改姓を望まないカップルが海外で法律婚をする動きが広がりつつある。よりどころにするのは、米国で別姓のまま結婚した夫婦が日本で起こした訴訟だ。判決は婚姻の有効性を認めたが、法的な位置付けは曖昧だ。識者は「法律の穴」だとし、立法対応が必要と訴える。

 ▽可能性

 大阪府八尾市のケアマネジャー乾紀子さん(55)と山県幹典さん(57)は2月、オーストラリア・ケアンズで結婚した。渡航前には日本にあるオーストラリア大使館に戸籍の証明書などを提出。現地では司祭の立ち会いで婚姻証明書にサインした。思いが込み上げ2人で涙したという。

 きっかけ...

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