
立教大の倉田徹教授
12月中旬、香港の民主派政党、民主党が政治的圧力の下で解散を決定した。香港の裁判所は民主派紙、蘋果日報(リンゴ日報)の創業者、黎智英氏に対し、香港国家安全維持法(国安法)違反で有罪の判決を下した。
わずか数年前まで問題なく活動してきた香港最大の政党と、一時は発行部数2位だった大新聞の消滅は衝撃である。しかし、今の香港市民で、意外と感じた者はほとんどいないであろう。これらはある意味「既定路線」の動きであったからだ。
2019年の激しい抗議活動に手を焼いた中国政府は20年、国安法を制定した。以来、主要な民主派政治家や黎氏など政府に批判的なメディア関係者は政権転覆や扇動などの容疑により、次々と逮捕...
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