東京V戦でゴールに迫るFWブーダ。途中加入し、前線で起点となる役割を担った=18日、東京・調布市

 勝てば残留圏内に浮上できた第19節名古屋戦に敗れ、降格圏で折り返した6月上旬。チーム最多6得点を挙げていたMF長谷川元希は、もどかしそうだった。リーグ戦の半分を消化しても不安定な戦いが続き「理想と現実が合っていない」。

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 ボールを保持して相手を押し込むスタイルは、J2時代に指揮したアルベル氏が根付かせた。J1昇格につなげた松橋力蔵氏の後を受けた樹森大介前監督は、路線を継承しながら、縦への速い攻撃も意識させた。

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 狙いは開幕から発揮され、長谷川はスピードを生かして得点を量産。一方で失点がかさみ、指導陣は攻撃より守備の改善に時間を割いた。しかし、上向く気配は乏しく、選手に迷いが生じた。

 5月下旬、危機感を募らせた主将のDF堀米悠斗が...

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