埼玉県北本市の水田の稲穂
 埼玉県北本市の水田の稲穂

 首相が代わりコメ政策のハンドルがいきなり逆に切られた。小泉進次郎前農相がコメ不足の再発を防ぐため増産の大方針を打ち出したのが8月。それからわずか3カ月足らずで鈴木憲和農相は一転、増産を否定し「需要に見合った生産」にUターンした。首相、大臣が代わったとはいえ同じ自民党政権である。主食を巡る大方針が唐突に白紙に戻されたことをどう考えればいいのか。

 政策は必要に応じて見直されて当然だ。だがその際、連続性、漸進性への目配りを欠いてはならない。生産者、関連産業、消費者は皆またしても「猫の目農政」に振り回されている。農水族議員たちが巻き返しに出たなどと政局話で片付けられたのではたまらない。

 石破政権では...

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