7月、米テキサス州ダラスのロデオ大会会場で取材に応じるハーラン・ハーン(撮影・鍋島明子、共同)
 クレオ・ハーン(カウボーイズ・オブ・カラー提供)
 7月、米テキサス州ダラスのロデオ大会会場で、取材に応じるロビー・ハーン(撮影・鍋島明子、共同)
 7月、米テキサス州ダラスのロデオ大会で「ブルライディング」に出場した男性選手(撮影・鍋島明子、共同)

 囲いが開け放たれ、中の雄牛が競技場に飛び出した。勢いよく跳ね回る雄牛には男性が乗っている。男性は落とされまいと両脚を雄牛の体に締め付け、片手を上げながらバランスを取る。牛や馬を操るカウボーイ技術を競うロデオの種目のうち、最も危険と言われる「ブルライディング」だ。「カモン」とあおる場内アナウンスに呼応するように、歓声が高まっていく。参加者と観客の大半を占めるのは黒人だ。

 アメリカ南部テキサス州ダラスで毎年、黒人主体のロデオ大会が開かれている。アメリカでは「白人といえばカウボーイ」とのイメージが根強い。大会の狙いは、このイメージにあらがい、アメリカの歴史に埋もれがちな黒人カウボーイの存在を広める...

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