
「君の名は」の撮影の合間に、記念写真に応じる岸惠子さん(左から2人目)と故淡島千景さん(中央)。おけさ丸の船上とみられる(仙宅希さん提供)
スポーツのスター選手、銀幕に映る俳優、名作を生み出す巨匠-。大物たちが、昭和から平成にかけて佐渡島にさまざまな形でやって来た。交流した人の証言やゆかりの人の記憶を基に、5回にわたって当時を振り返る。(5回続きの4)
佐渡島に向かう船の甲板で、物憂げに航跡を見つめる女性-。1953(昭和28)年公開の映画「君の名は 第一部」の冒頭シーンで、53年夏に撮影された。
原作はラジオドラマ。東京での空襲の際に助け合った男女が再会を誓うものの、すれ違いを重ねる恋模様を描いた。空前の人気を受け、映画は三部作に。ヒロインの氏家真知子役に岸惠子さん(93)、恋人の後宮春樹役に俳優の中井貴一さんの父、故佐田啓二さんが起用された。
53年8月15日付の新潟日報紙では、佐渡ロケを「(8月)9日から5日間にわたる…」と紹介している。佐渡汽船の「おけさ丸」など船上のシーンを丸一日かけて撮影した初日は、...
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