第4回新潟国際アニメーション映画祭第5日の2月24日、「新潟アニメーション戦略会議2026」と題したフォーラムが行われた。昨年、産官学が連携し「新潟アニメ推進協議会」が発足したことを受け、新潟でアニメ文化や産業を根付かせ世界的な拠点とするための方策を語り合った。参加者からは「新潟には既にアニメに関する教育機関が集積し、自然環境、粘り強く助け合う気質など強力なポテンシャルがある」「これらを生かすためには人づくりへの投資、若いアニメーターやベテランが安心して暮らせてやりがいのある仕事ができるための支援、関係者の利害を超えた共通した土俵を整えること」などが提言された。
新潟アニメ推進協議会は、県内に拠点があるアニメ制作会社や、関連教育機関、有識者、県内企業、行政などで構成。新潟県のアニメ文化・産業の発展に向けた論議を行っている。来月にもビジョンを決定し、2026年度は具体的な取り組みを検討、着手していく予定だ。
フォーラムでは事務局を務める県の担当者がこれまでの検討状況を報告。続いて県内のアニメ制作会社2社の代表が現状認識や新潟でのアニメ産業発展のポイントなどを語った。
パネルディスカッションでは「アジアの視点から見た『新潟のポテンシャル』 新潟県における『持続可能なエコシステムとは』」と題し討論した。登壇した韓国の映画監督・映画教育者で1996年に釜山国際映画祭の立ち上げに関わったパク・キヨンさんは「アジアの映画人たちが釜山で会議を行い杯を重ねパートナーシップをつくっていった。それまで無名の都市だった釜山が映画都市として知られるようになり、テレビ制作、ゲーム制作なども発展していった。新潟は小さい都市かもしれないが自然や静かな暮らしが共存し魅力的な食もある。釜山と同じくらいのポテンシャルを持っている」と新潟の可能性を語った。
パク・キヨンさん
映画祭実行委員長で開志専門職大学アニメ・マンガ学部学部長の成田兵衛さんは「新潟市はアニメ・マンガのまちと言っているが学生にアンケートを取るとうまくいっていないという回答が多い。クリエーターを育てるという姿勢が見えないのではないか。人が集まれば産業は生まれる。母数を増やすことを考えるべきだ。映画祭はそのフックの一つになる」などと行政に要請した。
成田兵衛さん
柏崎アニメスタジオ代表の荒尾哲也さんは「新潟のポテンシャルは雪深い中で協力し合う県民性かなと思う。テレビシリーズをつくるのはチーム戦。東京の制作会社からは新潟チームは頼りになると言われる。アニメ産業で大切なのは人材。アニメを始めるなら新潟が一番有利だという条件や環境を作ること。1社ではなく新潟の産業として育てないといけない」などと意見を述べた。
荒尾哲也さん
アジアや世界から見ても魅力的で「アニメで選ばれる新潟」であるために、パクさんは前映画祭実行委員長の故堀越謙三さんが力を入れていた若手人材育成プログラム「アニメーションキャンプ」をさらに発展させていく必要性を強調。「少なくてもいいから資金援助しアジアの人材を育てていく。それにより新潟はアジアのアニメーション制作のベースキャンプ基地となり得る」と提言した。













