マーシャル諸島の首都マジュロにあるホテルで働くイサガニさん=11月(共同)
 マーシャル諸島の首都マジュロにあるホテルで働くイサガニさん=11月(共同)

 海面上昇の影響を取材するため、駐在するフィリピンから太平洋の島国、マーシャル諸島に向かった。初訪問に緊張しつつ首都マジュロの空港に着き、宿泊先の送迎車を探す。運転手の男性と目が合うと、同行するフィリピン人の同僚がタガログ語で話しかけた。「クムスタ(こんにちは)」

 迎えに来たイサガニさん(56)はフィリピンからの出稼ぎ労働者だった。「なんとなく雰囲気で分かった」という同僚。車中で楽しげにタガログ語で話す2人を見ていると、フィリピンにいるのと変わらない。世界の隅々まで広がるフィリピン人出稼ぎ労働者の存在感に改めて驚かされた。

 フィリピンでは200万人超が海外へ出稼ぎに出ているとされ、全世界から家...

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