
デジタル映写機導入で行われた内覧会=新潟市中央区
1985年12月7日、新潟市中央区の「新潟・市民映画館シネ・ウインド」に明かりがともった。市民が出資して運営するという独自の手法が特徴の映画館。交流や文化発信の場としての役割も果たし、映画業界で活躍する人材も輩出している。新潟の地で新たな「風」を起こしてきた40年の歩みを振り返る。(2回続きの1)
「皆さんの応援のおかげでいい機械を導入することができた。質のいい映画をお届けしたい」。シネ・ウインド支配人の井上経久さん(57)は集まった市民らを前に、感謝の思いを述べた。
11月下旬、シネ・ウインドには新たなデジタル映写機が導入された。費用は市民らに募金を呼びかけ、約1100万円を調達。この日は協力してくれた人を招いて内覧会が開かれた。新潟市中央区の住民(73)は「古式ゆかしい映画館として、新潟の地で頑張っている姿を見ていると応援したくなる」と話す。
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開館は1985年3月、古町地区にあった「名画座ライフ」の閉館がきっかけだった。「自分たちが...
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