魚沼基幹病院の看護師、齊藤将太郎さん。緑色の制服は看護師の特定行為研修を受けていることを示す=南魚沼市浦佐
魚沼基幹病院の看護師、齊藤将太郎さん。緑色の制服は看護師の特定行為研修を受けていることを示す=南魚沼市浦佐

 魚沼基幹病院2015年6月に開院。県が設置者で、県や地元自治体が出資する一般財団法人新潟県地域医療推進機構が運営する公設民営方式を採用している。新潟大学と連携した育成機関も併設している。正式名称は「新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター・新潟県地域医療推進機構 魚沼基幹病院」。休止中を含めて現在454床の病床がある。(南魚沼市浦佐)が2015年6月に開院して10年が過ぎた。山間地や豪雪地を抱える魚沼医療圏は、医師や看護師ら医療資源不足や高齢化が著しい新潟県の中でも「既に数年先の地域医療を体験している」と言われている。圏域の中核を担う魚沼基幹病院の歩みを振り返り、魚沼地域の医療の現在地を探った。(3回続きの2)

<上>魚沼地域の中核病院として…救急搬送受け入れ改善「ようやくスタートライン」

 人口減や高齢化が著しく進む魚沼医療圏では、医療資源の確保が長年の課題だ。県は、県内外から磁石のように医師や看護師らを引き寄せる「マグネットホスピタル」構想を打ち出し、核になる病院として魚沼基幹病院(南魚沼市浦佐)を設立した。10年が経過し、課題の抜本的な解消までは至らないものの、看護師育成や研修医の確保は...

残り1161文字(全文:1509文字)