
火災発生後、現場近くのトンネルに貼られたメッセージ。翌日には全て剥がされていた=1日、香港(共同)
香港で161人が死亡した11月の大規模火災は、中国本土のような統制社会に変容する香港の現状を映し出した。市民の自発的な支援活動や大学生の追悼の動きは阻まれた。2019年の反政府デモを機に締め付けが強まる中、火災後に再び生まれた市民間のネットワークや連帯の機運は当局の圧力を受け一気にしぼんだ。
▽レノンウォール
「一日も早い回復を祈る」「香港人、頑張れ!」。火災発生から5日後の12月1日、最寄り駅から現場に向かうトンネルの壁にメッセージが書かれた付箋が無数に貼られていた。多くの市民は応援や追悼の言葉に気付くと立ち止まり、胸を打たれた様子で眺めた。
こうした市民の連帯を示す壁は、平和を訴えたビー...
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