【羽田衝突事故】運航過密、「人の目」限界

　羽田空港で起きた航空機同士の衝突事故は年明けで発生から２年となる。これまでの運輸安全委員会調査では、海上保安庁機が管制側の許可を得ずに滑走路に進入したことが主因との見方が出る一方、背景に「運航過密化」の問題点も浮上する。国土交通省が人工知能（ＡＩ）導入を含めた安全強化に乗り出し、専門家は「人の注意力に頼るのは限界」と指摘する。

　▽井桁状

　モニター上で離着陸機体を表す光る点が滑走路を通り過ぎると、誘導路に並ぶ別の点が一斉に滑走路を横切る―。羽田空港にある管制施設の日常風景だ。

　管制官はモニター上の点を頼りに地上や上空の状況を把握し、１人で複数の機体に指示を出す。井桁状に４本ある滑走路の内外にタ...