集落を覆った無数の流木=24日、インドネシア・スクムール(共同)
 集落を覆った無数の流木=24日、インドネシア・スクムール(共同)
 自宅が流木にのまれたファウジさん=24日、インドネシア・スクムール(共同)
 流木の奥に建つ仮住まいの家=24日、インドネシア・スクムール(共同)
 重機による流木の撤去が始まったイスラム寄宿学校前=23日、インドネシア・カランバル(共同)
 泥でぬかるむイスラム寄宿学校の男子寮の廊下=23日、インドネシア・カランバル(共同)
 支援物資に囲まれ、仮住まいで暮らす避難者=24日、インドネシア・スクムール(共同)
 支援物資を持ち仮設の通路を歩く少年=24日、インドネシア・スクムール(共同)

 見渡す限り、薄茶色の流木が広がる。インドネシア・スマトラ島にサイクロンが上陸してから26日で1カ月。人口約1200人のアチェ州スクムールでは、上流から流れた木々が集落を消し去った。「被災直後と景色が変わらない」「いつまで避難生活を続けるのか」。がれきの撤去や電気復旧のめどすら立たない中、被災者は天を仰いだ。

 「ここはお墓だったの。見えないね」。積み上がった巨木の上で、子どもたちが足元の隙間をのぞき込んだ。272戸の集落で倒壊を免れたのは13戸。多数の被災者がテント生活を送る。流木を並べ設置した簡素な通路は、支援物資をテントへと運ぶ“命の道”となった。

 スマトラ島では近年、森林伐採が進む。集落...

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