
集落を覆った無数の流木=24日、インドネシア・スクムール(共同)
見渡す限り、薄茶色の流木が広がる。インドネシア・スマトラ島にサイクロンが上陸してから26日で1カ月。人口約1200人のアチェ州スクムールでは、上流から流れた木々が集落を消し去った。「被災直後と景色が変わらない」「いつまで避難生活を続けるのか」。がれきの撤去や電気復旧のめどすら立たない中、被災者は天を仰いだ。
「ここはお墓だったの。見えないね」。積み上がった巨木の上で、子どもたちが足元の隙間をのぞき込んだ。272戸の集落で倒壊を免れたのは13戸。多数の被災者がテント生活を送る。流木を並べ設置した簡素な通路は、支援物資をテントへと運ぶ“命の道”となった。
スマトラ島では近年、森林伐採が進む。集落...
残り728文字(全文:1028文字)


















