京都の古い町家に15年住んでいる。鴨川にも東山にも、わりと近いまちなかだ。

 奥さんの園子さん、中3の息子ひとひ、あまたのめだか、庭にくるねこ、野鳥と暮らしつつ、日々、机にむかってさまざまなことを書く。きのうは12世紀、平安末期のお姫様が、ミシシッピ河岸の集落を訪ねる場面を書いた。ありていにいえば長いほら話だ。

 寝こむと一家が息絶えるので、体調管理には気をつかう。週に3度か4度、派手なウエアでランニングにでかける。鴨川河岸、哲学の道、御苑の周回と、土地がら走るコースにはことかかない、そのはずだった。

 この5年で外国人旅行者がみるみる増えた。とりわけ最近は、哲学の道はもちろん、鴨川べりでさえ、ひ...

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