東京市長を務めた永田秀次郎=1930年6月、東京市役所(日本電報通信社撮影)
 東京市長を務めた永田秀次郎=1930年6月、東京市役所(日本電報通信社撮影)
 関東大震災の死者名簿が納められていた和歌山県・高野山金剛峯寺の霊牌堂=2011年(北原糸子さん撮影)
 関東大震災で残された二つの死亡者名簿

 関東大震災を研究する第一人者、北原糸子さん(86)が、和歌山県・高野山で保管されていた死者約5万9千人の名簿を自費出版した。犠牲者の名前にこだわり、高野山に託した当時の東京市長、故永田秀次郎の遺志を受け継いだ。永田はもう一つの犠牲者名簿にも携わったが、この名簿の氏名は非開示のまま。北原さんは「二つのビッグデータを突き合わせれば、新たに分かることがあるはずだ」と訴える。

 高野山金剛峯寺の霊牌堂に保管されていた名簿は、乳白色のタイルに焼き付けられていた。永田が「1万年の保存」を願い、出身地である兵庫県・淡路島の業者に依頼した。タイルに向き合った北原さんは「一人一人の名前が、はっきりと分かる。永田...

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