2025年10月、日中首脳会談を前に中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市首相=韓国・慶州(共同)
 2025年10月、日中首脳会談を前に中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市首相=韓国・慶州(共同)
 神保謙・慶応大教授
 中林美恵子・早大教授

 衆院選では高市政権の外交・安全保障政策が争点の一つになっている。高市早苗首相は就任以来、中国を刺激する発言を繰り返し、外交の火種になった。国際秩序に背を向けるトランプ米大統領に対し、民主主義や法の支配といった価値を重視する日本ならではの外交は影を潜める。首相は主体的な防衛力の抜本強化も訴えているが、膨らむ防衛費の財源は不透明なまま。国民負担の議論は深まっていない。

 「台湾にいる日本人や米国人を救いに行かなければいけない」。首相は1月26日の民放番組で、台湾有事に自衛隊を派遣し、米軍と共同行動を取る可能性を示唆した。台湾問題を「核心的利益」と位置付ける中国側は27日、発言に猛反発した。

 日中は...

残り2766文字(全文:3066文字)