
渡岸寺観音堂(向源寺)の門前=滋賀県長浜市
作家井上靖の小説「星と祭」は、娘を亡くした父親が琵琶湖周辺の十一面観音を巡る中で悲嘆を癒やしてゆく物語だ。何がその心に安らぎをもたらしたのだろうか。滋賀県の湖北地方に祭られている観音さまに会いに行くことにした。
小説の主人公、架山の娘みはるは、ある青年と琵琶湖で乗ったボートが転覆して行方不明となる。捜索するも2人の遺体は見つからないまま。約7年後、架山は青年の父、大三浦に誘われたことをきっかけに、地域で守られている数々の観音像を見て回る。
架山が最初に訪れるのが、滋賀県長浜市にある渡岸寺(どうがんじ)観音堂(向源寺)の観音像だ。国宝に指定されている。収蔵庫に入るとまず、くっきりとした目鼻立ち...
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