雨が降りしきる中、力走を見せるランナーたち=15日、新潟市江南区

 春の訪れとともに新潟県内で開かれるマラソン大会が本格化します。沿道に応援する人垣ができ、懸命に走る家族や友人らに声援を送る光景がみられ、大会を盛り上げます。友人や会社の同僚らが15日の新潟ハーフマラソンに出場すると聞き、応援に出かけてきました。ランナーの位置情報を収集しリアルタイムで把握できるスマートフォンのアプリを活用して応援する一風変わったスタイルを体験してきました。

 大会は午前9時に県スポーツ公園(新潟市中央区)をスタート。高低差の少ない田園地帯を巡って、ゴールのデンカビッグスワンスタジアムを目指します。制限時間は3時間。

 お目当てのランナーを応援するための専用アプリ「応援navi(ナビ)」を事前にスマホにダウンロードして、制限時間の関門がある3・5キロと、レース最終盤となる県スポーツ公園内のコース脇に立ち、声援を送りました。

 アプリを提供するのは、インターネット会員制サイト「ランネット」を運営するアールビーズ(東京都)。ランナーが付けた計測チップからデータを収集し、現在地を予測。コース上のどこを走っているのか、リアルタイムにスマホ上の地図に表示されて追跡できます。応援する人は、お目当てのランナーの名前やゼッケンナンバー、所属チームのいずれかを入力して検索すると把握できます。

※この記事の続きでは、記者が実際にアプリを使って応援したリポートがご覧いただけます。

お目当てのランナーの名前などを入力するスマホアプリ「応援navi」の画面

 今回は友人数人のほか、ゲストランナーで東京五輪マラソン代表の服部勇馬選手(32)=トヨタ自動車・十日町市出身=、青山学院大在籍時に箱根駅伝に出場し、このレースで現役引退を表明してラストランを飾った横田俊吾選手(25)=JR東日本・五泉市出身=を検索して、スマホ画面に表示させてみました。

スマホに表示されたコースに応援するランナーが表示される(一部加工あり)

 スタートから約10分後の3・5キロ地点。服部選手を含む先頭集団が猛烈なスピードで一気に走り抜けていきました。さらに10分ほど経つと、道路上にカラフルなランニングシャツを着た市民ランナーたちであふれかえってきました。

レース序盤の3・5キロ地点。応援する人に手を上げて応えるランナー=15日、新潟市江南区

 「行ってらっしゃい」「ナイスラン」。スタートしてから約10分後。制限時間の関門が設けられた3・5キロ地点では、沿道からランナーを元気づける声援が飛び交っていました。まだレースの序盤、余裕の表情を浮かべたランナーたちが、手を振って応える場面が多くみられました。

 スマホに映し出されたコースマップには、ひたひたと近づいてくる仲間の位置が表示されます。「そろそろ来るかな。今か今か」と募る思いを胸に集団を見渡していると、足取り軽く友人たちが笑顔でさっそうと駆け抜けていきました。

3.5キロ付近、市民ランナーを含む集団の先頭を引っ張る横田俊吾選手(右)=15日、新潟市江南区

 ほとんどの市民ランナーが通過したのを確認した後、次の応援場所に決めたゴール直前の県スポーツ公園へ車で向かいました。

 手元のスマホを見ると、服部選手や横田選手と友人が走っている差がみるみる開いていました。「そりゃ、そうだよな」と納得。トップランナーと市民ランナーの差がスマホで即座に「見える化」できる優れもののアプリだと感じました。

お目当てランナーをもう見逃さない!スマートな応援に

最終盤の21キロ付近。目の前を一気に駆け抜けていった服部勇馬選手(右)を含む先頭集団=15日、新潟市中央区

 レース最終盤の21キロ付近となる県スポーツ公園に到着。スマホを確認すると、まもなく服部選手を含む先頭集団がやって来ることが分かりました。スタートしてから、1時間ほどしか経っていないのに、もうゴール?と思いながら、トップランナーの速さを実感しました。

 肉眼でも確認できる距離から先頭集団を引っ張る服部選手を含む約10人のランナーが近づいてきました。レース序盤で見た安定したきれいなフォームのままで、ほれぼれするような走りで一気に駆け抜けていきました。

 終盤になると、市民ランナーたちは序盤よりばらけた状態で走ってくるのでお目当てのランナーは見つけやすいものの、それでも見逃すことがあります。

レース最終盤、苦しい表情を浮かべて懸命に走るランナーたち=15日、新潟市中央区

 これまでの応援スタイルは、あらかじめスタート前に「どんな色合いのシャツを着て走るのか」「どのくらいのペースで走るのか」といった見つけやすくするために情報を聞いておいて、およその通過タイムを計算し予測していました。

スタート直後とは違って、ばらけた状態になるレース最終盤=15日、新潟市中央区

 しかし、お目当てのランナーが「今、どの辺りを走っているのだろう」「見逃してはいないか」といった一抹の不安を抱えながら応援していたのが現状です。実際に見逃してしまったことも数知れず、申し訳ないと反省することもありました。ある種の集中力が欠かせません。

 今回使ってみたアプリのおかげで、そのような不安を解消できました。ランナーの走る位置情報をスマホでリアルに確認しながら、先回りして応援する効率のいいスマートな応援スタイルを取り入れてみてはいかがでしょうか。

 アールビーズによりますと、2025年に新潟県内で開かれたマラソン大会で応援naviを活用した対象レースは、新潟ハーフマラソンと新潟シティマラソンでした。ことしは現時点で、新潟ハーフマラソンのみです。

 県外では、ふくい桜マラソン(3月29日)や長野マラソン(4月19日)、仙台国際ハーフマラソン(5月19日)などを予定。遠方のレースには、実際に応援に出掛けられないけども、スマホを通じて懸命に走る仲間を確認しながら心の中で応援するのも一つの方法かもしれません。...