
受付前のコタツで乾杯する京都大・吉田寮の寮生=2026年2月、京都市左京区
こたつに鍋が置かれると、匂いに誘われて一人、また一人と、おわんや酒瓶を手にした学生が集まってくる。宅配の荷物が積み上げられ、本やがらくたが散らばる廊下の一角でかれらは鍋をつつき、酒を酌み交わしながら、よもやま話に花を咲かせる。目を移すと、黙々と掃除を続ける者や、ゲームに没頭する者、通りがかって一言二言、言葉を交わす人の姿も。それぞれが思い思いの時を過ごし、やがて夜が更けていく。
100年以上続いてきたその生活の場から、人の姿が消えた。
現存する学生寮で国内最古とされる京都大の「吉田寮」(京都市左京区)の「現棟」から3月末、寮生が一時退去した。大学は4月14日、現棟を建て替える方針を発表。一方で、...
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