丸山ゴンザレスさん
 丸山ゴンザレスさん

 「顔と名前を出し、自分の存在を商売にしていく。売れる覚悟が必要だった」。ジャーナリスト丸山ゴンザレスさんの生きざまを端的に表すのが、本書のタイトルだ。なじみのない言葉だが説明的な副題は付けなかった。それでも、著者名が醸し出す危険な匂いが、見た人の好奇心を刺激する。

 「ナルコトラフィコ」とはスペイン語で「麻薬取引」を意味する。原産地では1グラム当たり1ドルほどで手に入るコカインが、流通ルートの「終着点」日本では2万~3万円に跳ね上がる。何度も混ぜ物がされ、純度が下がっているにもかかわらず、だ。本書は、そんな異常な“ビジネス”のサプライチェーンをたどる。

 壮大な取材の役に立ったのが、大学院まで学んだ...

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