自民党新潟県連は8日、次期衆院選で県内6小選挙区の公認候補に、県連会長の高鳥修一衆院議員ら各選挙区の現支部長6人を充てるよう党本部に上申した。現職2人が党公認を争っていた新潟2区も支部長の細田健一衆院議員(比例北陸信越)を公認とし、2区選出の現職で再び同区での立候補を目指していた鷲尾英一郎衆院議員については比例北陸信越ブロックの単独1位で処遇するよう求めた。

 党公認などの決定権を持つ党本部は各都道府県連からの上申を踏まえ、11日以降、公認候補や比例名簿を順次発表する見通し。

 県連は上申に先立ち、冒頭を除き非公開の選挙対策委員会で方針を話し合った。出席者によると、鷲尾氏の処遇を含め、全会一致で上申内容を決定した。

 これにより、県内の自民は、1区は塚田一郎前参院議員、2区は細田氏、3区は斎藤洋明衆院議員(比例北陸信越)、4区は新人の国定勇人・前三条市長、5区は泉田裕彦衆院議員(5区)、6区は高鳥氏が公認候補となる見通し。

 選対委後、県連筆頭副会長の柄沢正三県議は鷲尾氏について、比例名簿で北陸信越ブロック単独1位に登載するよう、「優遇」を党本部に求めたと説明した。

 2区では、鷲尾氏が2017年の前回選に野党系無所属で立候補して細田氏に勝利し、19年に自民入り。比例復活し、2区支部長を務めてきた細田氏と公認の座を争ってきた。

 柄沢氏は7日に鷲尾氏と面会したことを明かし、その際に「(鷲尾氏から)『比例に回る』と報告があり、重く受け止めた」と強調した。県連として、現支部長の細田氏を公認候補とする原則を貫いたとし「(2区の公認争いは)これで決着した。安どしている」と話した。

◆比例選出は処遇次第 鷲尾氏

 衆院選で自民党現職2人が党公認を争っている新潟2区の現職、鷲尾英一郎氏(44)が8日、新潟日報社の取材に応じ、「党本部が比例上位で処遇すると決定した場合には、選挙区からは出馬しない」との意向を表明した。

 鷲尾氏によると、自民県連の小野峯生幹事長と7日以前に面会した際、「党本部の処遇次第によってはあえて県連を割ることはしない」と伝えた。小野氏は「比例名簿最上位に載せてもらえるよう県連として上申したい」と応じたという。

 県連は8日、鷲尾氏を比例北陸信越ブロックの単独1位で処遇するよう党本部に上申した。

 鷲尾氏は「県連がこれまでの活動を評価し、今後へ期待してくれたという信頼の表れだと重く受け止める。県連を割るようなことはしたくない」と話した。党本部が近く最終判断することについて「党本部は地方の声を聞くと言ってきた。判断を注視したい」と強調した。

 2区では、自民県連が公認候補とするよう党本部に上申した細田健一衆院議員(57)のほか、共産党新人の平あや子前新潟市議(41)と、国民民主党新人の高倉栄前県議(50)も出馬を表明している。