自民党の遠藤利明選挙対策委員長は11日、次期衆院選で新潟2区の公認候補として細田健一氏(57)=比例北陸信越=を擁立すると発表した。2区現職で再び同区での立候補を目指していた鷲尾英一郎氏(44)については、比例北陸信越ブロック単独の公認候補とした。名簿順位は今後調整するという。約2年半にわたり続いた2区の公認争いが決着した。

 2区の自民公認を巡っては、2017年の前回選に野党系無所属で出馬して勝利し、19年3月に自民入りした鷲尾氏と、小選挙区で鷲尾氏に敗れ、比例復活した細田氏が争ってきた。

 鷲尾氏は比例名簿で上位に処遇されれば、2区から出馬しない意向を示している。公認発表後の新潟日報社の取材に対して「党本部は地方の声を聞き入れてくれると思っている。対応を注視したい」と話した。

 一方、細田氏は公認争いが長く続いたことへの影響について「一歩一歩、私の訴えが浸透していくように頑張るのみだ」と述べるにとどめた。

 自民党は11日、選挙対策本部の会合を開き、衆院選の第1次公認として計295人(小選挙区271人、比例代表24人)の擁立を決定した。本県関係では、2区のほかに、1区に前参院議員の新人塚田一郎氏(57)、3区に比例北陸信越の現職斎藤洋明氏(44)、4区に前三条市長の新人国定勇人氏(49)、5、6区はそれぞれ選挙区選出の現職泉田裕彦氏(59)と高鳥修一氏(61)の公認を決めた。

 比例北陸信越ブロックでは、福井県を地盤とする現職の山本拓氏(69)=比例北陸信越=が3回目の比例単独公認を得た。自民の内規によると、比例単独出馬は原則2回まで。遠藤選対委員長は理由を問われ「いろいろな状況を踏まえ、必要な人は名簿に登載した」と述べた。

 小選挙区で連続2回以上敗れ、比例復活した現職は比例重複を認めないとの原則を巡っても、遠藤氏は重複を認める方向で検討する考えを示した。本県では3区公認の斎藤氏が小選挙区で2連敗している。

◆県連、鷲尾氏の比例単独1位を要請

 自民党県連の小野峯生幹事長らは11日、東京・永田町の党本部で遠藤利明選対委員長と面会した。新潟2区選出の自民現職で、党から次期衆院選の比例北陸信越ブロック公認に選ばれた鷲尾英一郎氏について、同ブロックの単独1位で処遇するよう求めた。

 面会は小野幹事長と小林一大政務調査会長が出席し、非公開で行われた。

 終了後、小野幹事長は報道陣の取材に「(遠藤選対委員長は)慎重な言い回しで、これから検討するという話だった。事情はよく分かったということだったので、一定の理解はしてもらったと思う」と語った。