衆院が解散され、新潟県内の全6小選挙区でも1議席を巡る決戦の火ぶたが事実上切られた。政権与党のメンツをかけて2012年衆院選以来9年ぶりの全区制覇を狙う自民党と、前回の17年衆院選で4勝2敗と勝ち越した野党勢力の立憲民主、共産、国民民主など各党が、全区で激しく火花を散らす。解散直前には第三極・日本維新の会も参戦し、勝敗の行方は混迷を深める。前哨戦が繰り広げられる各選挙区の情勢を探った。(敬称略)

【1区】西村氏、石崎氏、塚田氏
 6期目を目指す野党統一候補の立民前職西村智奈美と、元参院議員で自民新人の塚田一郎との与野党対決に、維新元職の石崎徹が割って入る。都市部の1区に多いとされる無党派層への浸透が鍵を握りそうだ。
 西村は連合新潟の支援を受け、政権批判票を狙う。支援者の高齢化による運動量の低下が懸念される。
 石崎は元秘書への暴行問題で自民を離れ、組織の後ろ盾がない戦い。非自民の保守層などに浸透を図る。
 塚田は参院議員を2期12年務めたが、衆院選は初挑戦。自民支持者や企業を回り、保守票を固める。

【2区】細田氏、平氏、高倉氏
 自民はいずれも前職の細田健一と鷲尾英一郎との公認争いを決着させ、細田での一本化を実現した。
 細田は前回苦戦した燕市などで後援会を拡充。農家や企業経営者らに浸透を図ってきた。
 一方の野党側は共産新人の平あや子と、国民新人の高倉栄が一歩も引かず、共闘を断念した。
 前新潟市議の平は原発再稼働問題を争点化。社民の支援を受け、立民支持層の取り込みも目指す。
 前県議の高倉は連合新潟の支援で組織をてこ入れ。野党系だった鷲尾の支持層の取り込みに力を入れる。

【3区】黒岩氏、斎藤氏
 4期目を目指す立民前職の黒岩宇洋と、2回連続で黒岩に敗れて比例復活している自民前職斎藤洋明との4度目の対決。前回は50票差の大接戦で今回も激戦となるのは必至だ。
 黒岩は、政権の新型コロナウイルス対応への批判票の獲得に力を入れる。旧民主党政権の農家戸別所得補償制度の復活を掲げ、保守層への食い込みも狙う。
 斎藤は総務政務官を務めた実績や政権与党の実行力をアピールする。地方議員と各地をきめ細かく回り、支持層を固めた上で無党派層への浸透を図る。

【4区】菊田氏、国定氏
 野党連携で7選を目指す立民前職の菊田真紀子と、前三条市長で自民新人の国定勇人との一騎打ちの構図になりそうだ。
 菊田は、地区ごとに張り巡らせた後援会を中心とした強固な地盤を武器とする。支持者が高齢化する中、女性や子育て世代への訴えを柱に据えて無党派層の取り込みを狙う。
 国定は自民県議の案内で地道なあいさつ回りを展開し、保守層を固める。知名度がある三条市での圧勝を狙いつつ、知名度不足の市外で街頭演説やミニ集会を重ね、浸透に注力する。

【5区】泉田氏、米山氏、森氏
 元知事で自民前職の泉田裕彦と、前知事で事実上の野党統一候補となる無所属新人の米山隆一、前長岡市長で無所属新人の森民夫の三つどもえの争い。それぞれ首長経験者として培った知名度を生かし、基盤支持層を固めた上で無党派層の取り込みを目指す。
 知事を3期12年務めた泉田は街頭演説などで政権与党の実行力を訴える。自民各地区支部が支える。
 米山は自民党政治からの転換を主張し、立憲民主、共産、社民各党による野党共闘態勢を敷く。
 森は支持者回りを中心に草の根の活動を展開。地域の実情を聞き、政策を練る姿勢を強調する。

【6区】高鳥氏、梅谷氏、風間氏
 5選を目指す自民前職の高鳥修一に、立民新人で元県議の梅谷守が3度目の対決に挑む。前参院議員の風間直樹も出馬の構えを崩さず、三つどもえとなる可能性もある。
 高鳥は公共事業誘致など与党の実績をアピール。地方議員や業界団体を主力とした組織戦で野党勢力が強い上越市の攻略を目指す。
 前回2千票差で敗れた梅谷は野党共闘態勢を構築。「クリーンな政治」を掲げ、無党派層だけでなく、保守地盤への浸透を図る。
 立民内での公認争いに敗れた風間は独力での出馬を目指し、あいさつ回りなどを続けるが、活動には限界感もにじむ。