19日公示の衆院選では、17日時点で新潟県内6小選挙区に15人が立候補を予定する。前回衆院選で野党系候補に負け越した自民党は4人の前職に加え、2人の新人を迎えた。悲願の全区制覇を目指す。迎え撃つ野党は、立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党が五つの選挙区で共闘態勢を敷いた。3、4、6区は一騎打ちの構図で、接戦必至の情勢だ。2区では、共産・国民の候補者調整が物別れに終わり、野党分裂のまま選挙戦に突入する。1区では、日本維新の会が国政選挙では8年ぶりに擁立し、勢力拡大を狙う。(敬称略)

 【1区】立民前職の西村智奈美と自民を離党した維新元職の石崎徹、自民新人の塚田一郎が争う。西村は政権批判票の獲得を狙う。石崎は非自民保守層などへの浸透を図る。塚田は自民支持層を固める。各陣営は都市部に多い無党派層の取り込みにも力を入れる。

 【2区】自民は細田健一と鷲尾英一郎の前職2人が公認を争ったが、細田で一本化。野党は前新潟市議の共産平あや子と前県議の国民高倉栄の新人2人の分裂選挙。前回鷲尾が得た約9万8千票の行方が鍵を握る。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題が争点になる。

 【3区】前回、全国最少の50票差で制した立民前職の黒岩宇洋と、比例復活した自民前職の斎藤洋明による4度目の対決が確実。黒岩は野党共闘で非自民層への浸透を図り、斎藤は組織力を武器に保守層を固める。広い農村地帯を抱え、農業政策が争点となる。

 【4区】立民前職の菊田真紀子に自民新人の国定勇人が挑む。野党統一候補の菊田は自公政治の転換を主張。子育て支援の充実を訴え、無党派層への浸透を図る。国定は三条市長時代の実績をアピールし、地域産業の活性化策を強調する。自民県議が全面支援する。

 【5区】自民前職の元知事泉田裕彦、ともに無所属新人で前知事の米山隆一、前長岡市長の森民夫による元首長対決。泉田は与党の実行力を訴え、自民組織が支える。事実上の野党統一候補の米山は政権交代を主張。草の根で戦う森は地域の声の反映を強調する。

 【6区】自民前職の高鳥修一と立民新人の梅谷守が3度目の対決。5選を目指す高鳥は公共事業誘致など政権与党の強みをアピールし、組織の引き締めを図る。野党共闘態勢で臨む梅谷は前立民参院議員・風間直樹の出馬見送りを受け、野党一枚岩の陣容を築く。