支援者とあいさつを交わす3区の候補者。上から黒岩宇洋氏、斎藤洋明氏
支援者とあいさつを交わす3区の候補者。上から黒岩宇洋氏、斎藤洋明氏

◇新潟3区立候補者(届け出順、敬称略)
黒岩 宇洋(55) 立憲民主党・前職
斎藤 洋明(44) 自民党・前職

 自民党前職の斎藤洋明氏(44)と立憲民主党前職の黒岩宇洋氏(55)による4度目の対決が繰り広げられている。前回は50票差で黒岩氏が制した激戦区。共同通信社の電話調査を基に新潟日報社が探った序盤情勢によると、今回も激しく競り合う。各陣営は支持基盤を固めつつ、無党派層への浸透に力を注ぐ。

 斎藤氏は、官僚を辞めた妻との「二人三脚」の姿勢を前面に出し、選挙戦に挑んでいる。妻もマイクを握り「夫に仕事を続けさせてやりたい」と有権者の心情に訴えている。

 小選挙区で2連敗中。今回も比例に重複立候補し、復活当選の道は残されたとはいえ、選挙区で3連敗すれば次は出馬できない可能性もある。斎藤氏は「比例は関係ない。小選挙区で勝つのみだ」と強調する。

 首長や地方議員から手厚い支援を受ける組織戦を展開し、保守票を固める。地域を選挙カーで回り、地方の声を届けるために政権与党議員が必要だと訴える。

 アピール力が課題とされ、序盤情勢調査でも無党派層に十分浸透できていない。陣営は独自性を出そうと「自民党を変える」というのぼり旗を立て、改革路線を打ち出す。演説でも繰り返し改革に触れている。

 自民党県連の小野峯生幹事長は「本人は本当に党を変えたいと思っている。無党派層にも響くのではないか」と期待する。

 一方、黒岩氏は今回、旧民主党の看板政策「農家戸別所得補償制度」の復活を第一に掲げる。3区に多い農家票の取り込みを図る。

 街頭で「農家は壊滅的だ。戸別所得補償こそ、都会から地方の最大の分配政策だ」と訴える。財源に金融所得課税の引き上げ分を充てるとし、富裕層からの分配を強調する。

 前回無所属で出馬したが、今回は野党統一候補だ。社民や共産党も支援し、電話掛けなどで協力する。

 前半戦は選挙カーで、大票田の新発田市をはじめ、新潟市北区や五泉市など前回、得票数が相手を上回った地域を主に回り、支持固めを図ってきた。細い路地にも入り、有権者を見つけると、すかさず降車して声を掛けている。

 序盤情勢調査では、無党派層からより支持を得ている一方で、40代以下への浸透が課題として浮かび上がった。選対本部幹事長の佐藤浩雄県議は「若い世代が多い地域を回り、有権者に子育て支援や教育政策を訴えたい」と話す。