◇新潟4区立候補者(届け出順、敬称略)
菊田真紀子(52) 立憲民主党・前職
国定 勇人(49) 自民党・新人
7選を目指す立憲民主党前職の菊田真紀子氏(52)と、前三条市長で自民党新人の国定勇人氏(49)による一騎打ちは中盤に入って、いっそう熱を帯びている。それぞれの衆院選、三条市長選で協力関係にあった両氏の激突。勝敗の鍵を握るのは、支持者がかぶる大票田・三条市での得票だ。
新潟日報社が共同通信の電話調査を基に探った情勢では、この三条市周辺の県央エリアで両氏は横一線に並ぶ。新潟市南部ではややリードする菊田氏を国定氏が猛追する。両陣営は選挙戦終盤に向け、三条市での活動に力を入れる構えだ。
「国会で与野党が伯仲する力を持つことが大事だ。野党に力を貸してほしい」
菊田氏は強固な後援会組織と連合新潟を軸に支持基盤を固める。個人演説会などには森裕子、打越さく良両立民参院議員のほか、側面支援する共産党の地方議員も並び、野党共闘を前面に出してアピールする。
三条市長だった国定氏を「これまでで一番の強敵」(菊田氏)と捉える。自民党の組織力も警戒し、選挙戦序盤から無党派層と女性票の獲得に重点を置いた。
情勢調査によると、その無党派層と女性の支持は一定程度固めたが、若年層への浸透が課題だ。勝敗の鍵となる三条市を含む県央エリアでは競り合っている。
選対本部長の小島晋県議は「県央エリアで五分に持ち込めれば勝機はある」と話す。25日には立民の蓮舫代表代行が三条市に入り、無党派層のさらなる掘り起こしを図る。
一方、国定氏は保守系地方議員の全面支援を受ける。「4区の発展には、国から予算を持ってくることができる与党の国会議員が必要だ」と強調し、自民・公明支持層を固める。
公示翌日の20日には甘利明党幹事長も街宣に駆け付け、党の後ろ盾をアピールした。商工関係者の支援も受け、街宣や演説会とともに企業訪問を重ねている。
情勢調査では、前市長として圧倒的な知名度があるため有利とみられた県央エリアで、菊田氏に互角の戦いに持ち込まれている。陣営は今後、三条市や、次に有権者が多い新潟市秋葉区でのてこ入れに臨む。
さらに無党派層への浸透にも力を注ぐ。「選挙戦終盤に向けてSNS(会員制交流サイト)を使った空中戦を仕掛けている」と選対幹部。街宣や企業回りの様子を発信し、序盤情勢で支持が厚かった若年層の囲い込みを狙う。