佐渡金銀山の世界遺産登録の実現に向け、新潟県の花角英世知事と佐渡市の渡辺竜五市長らは15日、東京都内で末松信介文部科学相と面会し、要望書を手渡した。登録の前提となる国内推薦候補の選定を間近に控え、悲願達成への決意を伝えた。

 面会は冒頭を除いて非公開で行われた。要望書では、2023年の世界遺産登録に向けて、本年度の国内推薦候補に選ぶよう求めている。

 終了後、花角知事は報道陣から国内推薦への手応えを問われ「大丈夫だと思っている」と語った。渡辺市長らは文化庁の都倉俊一長官とも面会し、要望書を手渡した。

 佐渡金銀山は18年度に文化審議会から「北海道・北東北の縄文遺跡群」に次ぐ、有力な国内候補になり得ると評価された。出席者によると、この評価について末松氏、都倉氏とも「よく認識している」と述べたという。「縄文遺跡群」は今年、世界文化遺産に登録された。

 国内推薦の選定を巡っては、佐渡金銀山は初めて挑戦した15年度以来、4年連続で選外だった。昨年度は新型コロナウイルスの影響で選定作業が行われず、今年は5度目の審議となる。21年度に国内推薦を目指すのは佐渡のみで、選定が有力視されている。

 渡辺市長は「早い国内推薦をお願いしてきた。今年こそは、と思っている」と語った。