建設業者の新年会で小野峯生・自民県連幹事長(右)から知事選対応について指摘され、頭を下げる花角英世知事(中央)=4日、新潟市中央区
建設業者の新年会で小野峯生・自民県連幹事長(右)から知事選対応について指摘され、頭を下げる花角英世知事(中央)=4日、新潟市中央区

 新潟県知事選、参院選と大型選挙が続けざまに行われる政治決戦の年が明け、現職や新人、政党、関係団体がそれぞれの思惑を抱えて動き出した。5月12日の告示まで4カ月に迫る知事選には誰も名乗りを上げていないが、候補者として本命視される花角英世知事(63)を巡り、新年の会合でさまざまな動きがあった。激戦が予想される夏の参院選新潟選挙区では、立憲民主党の現職と自民党の新人が早くも前哨戦を繰り広げている。

◆知事選 花角氏去就で探り合い

 4日に新潟市中央区のホテルで開かれた「建設関係新年交歓会」。壇上であいさつをした花角知事は、知事選対応をにおわす発言を一切しなかった。

 その後にあいさつに立った自民県連の小野峯生幹事長は知事に目をやり、けん制するかのように「年末年始に熟慮されたと推察するが、今年は知事選がある」と述べた。知事は恐縮したそぶりで軽く頭を下げた。

 小野幹事長の発言には伏線がある。

 自民は昨年12月の県議会で知事に再選出馬を要請したが、具体的な回答を得られないまま新年を迎えた。自民は花角氏再出馬を前提に準備を進めており、発言には、出馬の決意を促す狙いがあったとみられる。

 10月には政令市の新潟市長選も行われるが、この日、壇上に並んだ1期目の中原八一市長(62)も態度を表明していない。自民党国会議員から「出てもらわないと困る」と背中を押す発言があり、政治色の強い新年会となった。

 知事は5日、新潟市中央区のホテルで開かれた県労働者福祉協議会(労福協)の「新春の集い」にも出席した。国政野党の議員や野党の支持団体関係者らが居並ぶ会場で、新型コロナウイルス禍で苦しむ生活困窮者支援に取り組む労福協を持ち上げ、連携を強める意向を表明した。

 労福協の主要構成団体である連合新潟は前回知事選で花角氏ではなく、国政野党系候補を支援した。しかし今は、連合新潟の要望に真摯に対応しているとして知事を評価する声が多い。

 この日の会合でも労福協理事長を務める牧野茂夫・連合新潟会長が知事と親しそうに話し合う場面があった。牧野会長は会合後の取材に対し、知事から「今月中にも(知事選の)去就を明らかにする」と告げられたことを明かした。

 ただ、花角知事自身は同日の新潟日報社の取材に対し、そこまで踏み込んではいないとし、「月内には決心が固まるかなという程度の発言だった」と述べた。これまで知事が再選に関する態度を表明するのは県議会2月定例会が有力とされてきたが、その前に意思を示す可能性も出てきた。

◆参院選新潟選挙区 与野党、支持拡大訴え

 参院選新潟選挙区で立候補を予定する与野党の2人も改選1議席を巡る決戦に向け、新年早々、精力的に会合などに出席し、支持拡大へアピールしている。

 立民の公認が決まった現職森裕子氏(65)は、県内各地の賀詞交換会や支援者の集まりなどに駆け回る。5日の県労働者福祉協議会の会合でも、党の最大の支持団体、連合新潟をはじめ構成団体の役員らにあいさつして回った。

 報道陣の取材に「なんとしても勝ち上がりたい」と決意を表明。共産党への拒否感が強い連合の意向もあり、共産を含む野党共闘の在り方の再考が迫られているが、「敵(自民)の敵は味方。普段の活動から絆を深めている」と強調し、2016年の参院選から続く、本県の共闘の枠組みを維持したい考えを示した。

 自民新人で県議の小林一大(かずひろ)氏(48)は全県をエリアとする選挙を意識し、年明け以降も県内各地でのあいさつ回りに力を入れている。

 県議4期目だが地元・新潟市秋葉区以外での知名度は十分とは言えない。「まずは顔と名前を知ってもらいたい」と、同僚県議に同行して企業や支援者を細かく訪ねて歩く。各地での予定は既に、2月末まで埋まっているという。

 懸念材料は、衆院新潟5区を巡る「裏金」問題で自民県連に対する風当たりが強くなっていることだ。小林氏は「新しい流れをつくり、自民党を変えたいと伝えている」と述べた。