
棋王戦第2局で行われた大盤解説会で解説を務めた稲葉陽八段(右)と聞き手の村田智穂女流二段=2月18日、金沢市の北國新聞赤羽ホール
将棋の渡辺明棋王=名人との二冠=(38)に藤井聡太五冠=竜王・王位・叡王・王将・棋聖=(20)が挑む第48期棋王戦コナミグループ杯(新潟日報社など主催)5番勝負の第3局が5日、新潟市で指される。藤井五冠は開幕2連勝で棋王獲得と最年少六冠に王手をかけている。新潟決戦で一気に決めるのか、渡辺棋王が意地を見せるのか-。2月18日に金沢市で指された第2局で大盤解説を務めた稲葉陽(あきら)八段(34)に展望を聞いた。
大盤解説会の会場となった北國新聞赤羽ホールは、定員500人の座席がすき間なく埋まり、超満員。稲葉八段は聞き手の村田智穂女流二段(38)と軽妙なやりとりで時折、会場を沸かせた。
第2局で最も稲葉八段を驚かせたのは、終盤の藤井五冠の指し手。一筋の角を二筋に上げると予想したが、二筋に手持ちの角を打ち込み、2段ロケットの構えを見せた。踏み込んで勝ちを決めにいく強手に「え!予想と全然違った。いやあ、そこですか」と驚きを隠さなかった。

最終盤、持ち時間が残り3分となった...
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