おもちゃドクターの養成講座。講師の指導の下、不具合の原因を突き止め、断線などの修理を体験した=柏崎市

 子どもが大切にしているおもちゃが壊れてしまった。電池を入れ替えても動かない。こうした経験がある人もいるのではないか。そんな時、頼りになるのが「おもちゃ病院」だ。

 全国各地で運営されており、「おもちゃドクター」と呼ばれる人たちがボランティアで活動している。日本おもちゃ病院協会(事務局・東京)によると、3月現在、新潟県内では新潟市や上越市、糸魚川市など34カ所で活動している。

 おもちゃドクターになるには、特に資格などは必要ないそうだ。各地で開催される養成講座に参加し、修理の方法や心構えなどを学び、活動を始めたという人が多い。

 筆者がおもちゃ病院を訪ねると、会員は男性が多く、まるでサロンのように楽しそうな雰囲気だった。

 歩く犬のぬいぐるみ、ベビーベッドにつるすメリーオルゴール、電池式のゲームなど、持ち込まれるおもちゃはさまざま。60~80代の男性を中心に、和気あいあいと修理にいそしみ、おもちゃを通して、子どもや孫世代の人たちと触れ合う姿がほほ笑ましい。

 「直ったよ、とおもちゃを手渡した時にみせる、子どもたちのうれしそうな笑顔が励みになる」と、ドクターたちは口をそろえる。

 中には、電気・機械などの技術職を経験した人や、オーディオ、無線に詳しい人もいて、定年退職後のボランティアとして始める人が多いそうだ。

 新潟県内で活動する団体や、養成講座を訪ねた。...

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