妙高市出身で東京都医学総合研究所副所長の長谷川成人(まさと)さん(64)=生化学、分子生物学=が、認知症などの発症に関わる異常型タンパク質の研究を続けている。今年は選出されなかったが、論文の引用回数からノーベル生理学・医学賞を受賞する可能性が高い研究者ともいわれている。認知症の治療につながる薬の開発を目指す長谷川さんに、研究の現状と見通しを聞いた。
(論説編集委員・高橋渉)
認知症進行のメカニズム分析「ノーベル賞より治療法確立」
東京都医学総合研究所・長谷川成人副所長の“矜持”
-2022年にノーベル賞の登竜門と呼ばれる「クラリベイト引用栄誉賞」を受賞されました。
「アルツハイマー病などの認知症や、体が動かしづらくなるパーキンソン病などは、神経変性疾患に分類される。これらの患者の脳には、特有の異常型タンパク質が蓄積することが分かっている」
「私たちはこれまで明らかでなかった『筋萎縮性側索硬化症(ALS)』や若い人に行動や言語の障害が現れる『前頭側頭葉変性症』の原因が、『TDP43』という異常型タンパク質であることを発見した。その論文が多くの人に引用された」
-現在はどのような研究をしているのですか。...
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