世界文化遺産を思い浮かべたとき、輝かしい歴史の産物をイメージすることが多いのではないだろうか。だが、国家間の戦争や政争などを背景とした「影」を抱える遺跡は国内外を問わず存在する。世界遺産登録を目指す「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)でも、江戸時代に多くの人が過酷な労働を強いられた歴史がある。影をどう乗り越え、その先に価値を見いだすのか。長期企画「輝ける島へ」の今シリーズでは、広島の原爆ドー...

残り2306文字(全文:2507文字)