世界文化遺産への登録を目指す「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)。2022年2月、政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に国内候補として推薦書を提出した。佐渡の市民有志が登録を目指しグループを立ち上げて四半世紀。悲願達成へようやく針が進み始めた。しかし、不備の指摘を受け推薦書の再提出という前代未聞の事態に陥った。混迷する今だからこそ、世界遺産を問い直したい。佐渡金山の価値とは何か。世界遺産登録までにはどのような障壁があるのか-。多角的な視点で掘り下げる。

輝ける島へ-佐渡・世界遺産の行方

【輝ける島へ・第6部】「明日への針路」シリーズ一覧(全7回)
「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)が世界文化遺産に登録されるまで、最短でおよそあと1年。2023年の秋にも国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関による現地調査が入り、いよいよゴールが見えてきた。悲願が達成された後、人の流れは変わるのか。遺産をどう守り、街並みを維持していくのか。長期企画「輝ける島へ」の最終シリーズでは、世界遺産の先行地で現れた効果や課題を参考に、佐渡の明日を示す針路を探る。