暖流と寒流がぶつかる新潟県佐渡市の海は、四季を通じてさまざまな生物を観察できる国内屈指のダイビングスポットです。フレンドリーな生物たちとの交流や、情熱的な求愛行動、不思議な海底地形…。語り尽くせぬ佐渡の海の魅力を、写真と動画と、知っていると誰かに話したくなる(かもしれない)豆知識とともに紹介します!=佐渡総局・山田史織(写真・動画の撮影、イラストも)=

[動画で見てみよう]まずは夏の日本海の魅力を詰め込んだ動画をご覧ください。コブダイの「けんか」のシーンもばっちり収録!音量を上げればASMRに?

 続いて、写真を見ながら魚たちのユニークな生態をお伝えします。クイズもありますよ。

初夏〜夏の佐渡の海は透明度が抜群。遠くで泳ぐ魚の姿も見えます
この時期の佐渡の海はダイバーの間で「佐渡ブルー」と呼ばれています。海中から船底もよく見えます

 写真と動画を撮ったのは6月下旬、佐渡市の北東部にある北小浦の海。海中は20メートル先まで見渡せるほど透き通り、ダイバーの間で「佐渡ブルー」と呼ばれています。

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 海水温が上がり始め、潮流も穏やかなこの時期は、絶好のダイビングシーズンです。

 北小浦には、コブダイ目当てに全国からダイバーが集まります。港から沖へ500メートル、水深25メートルほどに「赤岩」と呼ばれる、天然の大きな岩礁があり、えさが豊富で長年多くのコブダイが生息しています。自然ドキュメンタリー映画「オーシャンズ」をはじめ、しばしばメディアで紹介される「メジャースポット」です。

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 赤岩のボスに代々名前が付けられています。現在の「ヤマト」は、...

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