冬の佐渡の海は白波が立ち、空と同じような鉛色に見える。だが、水中は繁殖期を迎えた生物や稚魚であふれ、色鮮やかな世界が広がり、ダイバーたちに「命の海」と呼ばれている。
佐渡には約10カ所のダイビングスポットがあるが、海がしける冬にダイバーが集まるのは2カ所ほど。記者は昨年末、命の海を撮影しようと、小木地区のビーチで潜ってみた。
お目当ては黄金色のアイナメ。いつもは雄も雌も焦げ茶色っぽいが、雄は繁殖期の11月下旬から婚姻色のゴールドになる。水深12メートルほどの岩場で、光り輝く姿を捉えた。
30年以上、海のガイドをしている佐渡潜水(新潟県佐渡市加茂歌代)会長の正司正さん(65)によると、アイナメ...
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