
真珠湾攻撃から70年となった年に打ち上げられた追悼の花火「白菊」=2011年12月8日、長岡市
新潟県長岡市の花火師、嘉瀬(かせ)誠次(せいじ)さんが12月14日、101歳で亡くなった。戦争の犠牲者を悼む追悼と鎮魂の花火「白菊」の打ち上げで知られ、全国有数の花火大会となった長岡まつり大花火大会(長岡花火)の礎を築いた。家族や親交のあった市民は逝去を惜しみ、温かな人柄や思い出を懐かしんだ。
嘉瀬さんは2002年に花火作りから引退した。長男で花火師の嘉瀬晃さん(65)はその跡を継ぎ、白菊を打ち上げてきた。12月14日夜、取材に「頑張らなければならないこともあるし、(悲しみに)浸っている時間はない」と気丈に語った後、「(父のことを)改めて聞かれると、涙が出てくる」と声を詰まらせた。
長岡市出...
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