パリ五輪(オリンピック)への切符を懸けた戦いが続いている。7月24日に競技が始まり、26日に開会式が行われる。日本は男女のバスケットボールが既に出場権を獲得するなど、団体競技で好調だ。個人競技も続々と代表が決まり、本番での活躍が期待される。
今後、各競技の代表選考会が山場を迎える。新潟県関係の選手たちも出場権の獲得に挑む。オリンピックの舞台を目指す選手たちを紹介するとともに、出場するための条件をまとめた。
◆[競泳]標準記録突破と選考会で2位以内
競泳の個人種目は3月に開催される代表選考会の決勝で決まる。五輪本番で決勝進出が見込める「派遣標準記録」を突破して2位以内に入れば代表となる。男子100メートルバタフライの日本記録保持者、水沼尚輝(新潟医療福祉大職員)は、3月の選考会で条件を満たせば東京に続く2大会連続の五輪出場となる。不振が続いていたが復調傾向にあり、期待が高まる。
◆[女子サッカー]北朝鮮との2戦、合計得点で上回れば
サッカー女子「なでしこジャパン」は、2023年のワールドカップ(W杯)で8強入りした。パリ五輪では2012年ロンドン五輪の「銀」以来となるメダル獲得を目指す。五輪出場を懸けて2月のアジア最終予選で北朝鮮とホームアンドアウェー方式で対戦する。2試合の合計得点が北朝鮮を上回れば、日本の出場が決まる。アルビレックス新潟レディースのGK平尾知佳が代表に招集されている。

◆[フェンシング]メンバー入りには世界ランキングが重要
フェンシングは団体、個人ともに4月までの世界ランクが出場を左右する。杭州アジア大会で男子エペ団体の優勝に貢献した古俣聖(あきら)=新潟市西区出身・本間組=は、国際大会で勝利を積み重ねられるかが鍵となる。女子もサーブルの小林かなえ(聖籠町出身・三重クラブ)が初出場を狙う。団体は4月1日時点の世界ランクが4位以内か、アジア最上位になると日本は出場権を獲得できる。出場枠を獲得した上で、メンバーの4人に食い込む必要がある。

◆[陸上]標準記録の突破と日本選手権優勝
陸上のトラック、フィールド種目は5、6月の日本選手権が代表選考会となる。この大会で優勝し、参加標準記録を突破すれば決定する。6月は新潟市中央区のデンカビッグスワンが会場となる。5月の大会は1万メートルの日本選手権で、静岡県で行われる。
男子走り高跳びの長谷川直人(新潟市北区出身・新潟アルビレックスRC)は、2023年に初めての世界選手権出場を果たした。自己ベストは2メートル26で、まずはオリンピックの参加標準記録の2メートル33を目指す。

女子1万メートルの小海遥(妙高市出身・第一生命グループ)は23年12月、日本選手権1万メートルで30分57秒67で3位に入った。参加標準記録に17秒まで迫るタイムだった。いずれも参加標準記録の突破を目指しながら、世界ランクの上昇を目指す。

女子円盤投げの郡菜々佳(新潟アルビレックスRC)は、参加標準記録が64メートル50。自身が持つ日本記録を上回る必要がある。

◆[マラソン]ファイナルチャレンジで記録突破、かつ最速の1人
陸上の男子マラソンは残り1枠。「ファイナルチャレンジ」に指定された大会で、2時間5分50秒の設定記録をクリアすることが必須条件だ。設定記録をクリアした中で最も速いタイムの選手が選ばれる。横田俊吾(五泉市出身・JR東日本)と、東京五輪出場の服部勇馬(十日町市出身・トヨタ自動車)が「ファイナルチャレンジ」の一つとなる3月の東京マラソンに臨む。

「ファイナルチャレンジ」は福岡国際(23年12月)と、大阪マラソン(2月25日)、東京マラソンの3大会。記録を突破した選手がでなければ、マラソングランドチャンピオンシップで3位の選手(大迫傑・ナイキ)が出場する。

◆[セーリング]世界選手権などの通算成績で決定
4大会連続で五輪に出場しているセーリングの富澤慎(柏崎市出身・トヨタ自動車東日本)は、iQフォイル級で出場を狙う。4月のラストチャンスレガッタで国別上位5位に入ると日本が出場権を獲得する。代表は世界選手権とこの大会の通算成績で決まる。

◆[BMX]出場枠獲得の上でワールドカップの成績で選考
自転車のBMXレースの中井飛馬(あすま)=上越市出身=は5月の世界選手権で日本の出場枠を獲得できるかがパリ行きの鍵を握る。日本が出場権を得た上で、ワールドカップ6戦で日本人最高成績を収めれば代表に選ばれる。

◆[カヌー]選考会での優勝などが条件
東京五輪に続く出場を狙うカヌースプリントの當銘孝仁(とうめ・たかのり)=アーネスト・三条市=は、3月の国内選考で優勝すると、4月のアジア大陸予選の出場権を獲得する。4月のアジア大陸予選に出場し、上位2カ国の代表枠獲得を狙う。さらに選考会で優勝する必要がある。
