
沖合で養殖ワカメの刈り取りをする正司正さん。海中に漂わせたロープに、ワカメがびっしり生えている=佐渡市黒姫沖
新潟県佐渡市で養殖ワカメ漁が最盛期を迎えている。海藻を食べる文化が根付き、島の春の食卓を彩る。生産者の減少などにより収穫量が減っている一方、島内には水産資源の振興に向けた動きがある。佐渡産ワカメの魅力を探った。
海中に漂う長さ50メートルほどのロープを引き上げると、たわわに育った褐色のワカメが現れた。3月中旬まで気温、水温ともに低い状態が続いたため、今年の収穫は例年より2週間ほど遅く3月下旬に本格化した。
島北東部の黒姫沖で養殖を手がけている正司正さん(66)は、「佐渡の海は(窒素やリンなどの)栄養塩類が多過ぎず、全体的に薄く育つ。そのため柔らかく、芯の部分までおいしく食べられる」と胸を張る...
残り900文字(全文:1200文字)