新潟日報社の単独インタビューに応じた長井龍雪さん=東京都内

 2011年にテレビ放送されたオリジナルアニメーション『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(あの花)は、心揺さぶる泣けるストーリーと魅力的なキャラクターで人気を博しました。あの花など埼玉県秩父市を舞台にした「秩父3部作」の監督を務めたのが、新潟市秋葉区出身の長井龍雪さん(49)です。

 長期企画「NIIGATA アニメ クロニクル」の一環で、新潟日報社は単独インタビューを実施しました。長井さんのアニメ制作への思いや作品誕生の秘話などを紹介します。

『あの花』の秩父限定グッズに使われている描き下ろしイラスト。テーマはストーリーの鍵を握る秩父の龍勢祭(C)ANOHANA PROJECT

-子供の頃から絵を描いたり、アニメを見たりするのは好きでしたか。

 絵を描くのも好きでしたし、アニメはもちろん好きで朝や夕方に見ていました。小学生の時に『機動戦士Zガンダム』があって『重戦機エルガイム』、『聖戦士ダンバイン』とか富野由悠季さんの作品はずっと追いかけてましたね。『ベルサイユのばら』、『あしたのジョー』も見てました。

-テレビ放送から10周年を迎えた『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』では監督を務めました。

 最初はまるで信じられなくて、いまだに何となくふわふわしています。小さい頃ガンダムの落書きしてたのに、自分の作品がガンプラ(ガンダムのプラモデル)になっているのは感慨深いです。

-新潟デザイン専門学校に進学した頃は、アニメを仕事にすることは考えていませんでした。

 アニメ業界への入り方も分からないくらいでした。でも『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』や『新世紀エヴァンゲリオン』を見て、少し離れていたアニメに再び興味を持つようなりました。攻殻機動隊の映像美、アダルトな雰囲気がかっこよくて、「今のアニメはこうなってるんだ」って。そんな下地があったから、アニメ制作進行のバイト募集が、自分に引っかかったんだと思います。

インタビューに答える長井龍雪さん=東京都内

-アニメ監督を目指した理由を教えてください。

 「この作品はこういうものです」というのを全部提示して、1本の作品にまとめ上げるのが監督の仕事です。最初から最後まで一緒に作品の出来上がるさまを見て、最終的に作品が出来上がること自体がやはり楽しいですね。各話の演出だと、...

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