
能登半島地震で液状化被害が出た信濃川右岸の堤防。対岸にも被災箇所がある=4月30日、新潟市中央区美咲町2(平成大橋から撮影)
新潟県内で住宅やインフラに大きな被害をもたらした1月1日の能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。火災が相次ぎ、輪島市では市街地が広範囲で延焼した。は、日本一の大河・信濃川をはじめ、河川にも爪痕を残していた。国・県が管理する県内の河川43カ所で、堤防や護岸に亀裂が入るといった被害が出ていたことが、4月30日までに分かった。堤防が決壊するなどの深刻な状態ではないが、国と県は梅雨を前に復旧を急ぎ、液状化水分を多く含んだ砂質の地盤が、地震による強い揺れで液体のように流動化する現象。地表に水や砂が噴出したり、地盤が沈下したりする。土管やマンホールが浮き上がることもある。埋め立て地や干拓地など、緩い砂質で地下水位が高い場所で起こりやすい。条件を満たせば内陸でも発生する。1964年の新潟地震では橋や鉄筋コンクリートの建物といった大型構造物が崩れ、対策工法の開発が進むきっかけになった。阪神大震災や東日本大震災でも発生した。被害のあった一部では抜本的な地盤改良にも着手する。
新潟市中央区美咲町2の信濃川右岸は、約350メートルにわたり被災した。液状化で水際のコンクリート護岸が盛り上がり、...
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