「『儘』は自分が行きたい方向を表す字。枠を取り払って、好きなように作ってみたい」と語る伊藤赤儘さん=佐渡市下相川
「『儘』は自分が行きたい方向を表す字。枠を取り払って、好きなように作ってみたい」と語る伊藤赤儘さん=佐渡市下相川

 人間国宝の陶芸家、5代伊藤赤水さん(82)=新潟県佐渡市相川一町目=が新たに「伊藤赤儘(せきじん)」を名乗り、6月12〜17日、新潟市中央区の新潟伊勢丹で個展を開く。2023年の秋、長男栄傑(ひでたけ)さん(46)が6代赤水を襲名。道を譲った。「人生も最終章に入り、枠を取り払って好きなように作ってみようと思った。『わが儘(まま)』に表現の幅を広げたい」と新境地を語る。

 江戸期から続く実家の窯元に1966年に入り、伝統の無名異焼を引き継いだ。佐渡特有の粘土を使った硬質な赤色が特徴だ。

 伝統を守りながら、炎の当て方で赤に黒を配する「窯変(ようへん)」、異なる色の土を組み合わせて花や縞(しま)の文...

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