新潟水俣病の被害を訴える阿賀野患者会副会長の皆川栄一さん(右)=6月5日、環境省
新潟水俣病の被害を訴える阿賀野患者会副会長の皆川栄一さん(右)=6月5日、環境省

 新潟水俣病1965年、新潟県の阿賀野川流域で公式確認された。阿賀野川上流の鹿瀬町(現阿賀町)にあった昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)の鹿瀬工場が、アセトアルデヒドの生産過程で生じたメチル水銀を含む排水を川に流し、汚染された川魚を食べた流域住民が、手足の感覚障害や運動失調などを発症する例が相次いだ。56年に熊本県で公式確認された水俣病に続く「第2の水俣病」と呼ばれる。阿賀野患者会など全国の公害被害者団体が6月5日、環境省で伊藤信太郎環境相と面会した。伊藤氏は、水俣病被害者の発言遮断問題を受け、7月にも熊本県と新潟県で開催を予定する被害者団体との懇談について、「解決法を具体的に話し合っていく場にしたい」と述べ、定期的に開催していく考えを示した。

 面会は、公害の根絶を目指す「全国公害被害者総行動デー」の一環。新潟県からは阿賀野患者会副会長の皆川栄一さん(80)=新潟県阿賀町=らが参加し、被害の実態を語った。

 皆川さんは...

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