佐渡を世界遺産にする会の中野洸会長(中央)=佐渡市
佐渡を世界遺産にする会の中野洸会長(中央)=佐渡市

 世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録を目指す「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が国内初となる「情報照会」勧告ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関イコモスによる推薦資産の評価結果。「記載」(世界遺産一覧表に記載するもの)、「情報照会」(追加情報の提出を求めた上で次回以降に再審議するもの)、「記載延期」(より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの)、「不記載」(記載にふさわしくないもの)の4区分。を出した。勧告から一夜明けた6月7日、地元の新潟県佐渡市内の関係者らの間では、遺産価値の補足説明を求める「情報照会」との勧告内容について、「残念」「登録へ希望が持てる」と多様な見方が交錯した。登録の可否が決まる7月の世界遺産委員会を見据えつつ「結果がどうなったとしても、地域の宝として守り続けることに変わりはない」との声も聞かれた。

 佐渡金山を巡っては、...

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